知り合いに似ているとか、そういったレベルではない。間違いなく、アンジェリ―ナは彼女を――エリーゼを知っている。
「おと……セレ……」
ふいに心に浮かんだ謎の言葉が、口をついて出ていた。途端に心臓が鼓動を速め、頭の中で不思議な映像が目まぐるしく回転を始める。
「アンジェリ―ナ? 何か言ったか?」
エリーゼの隣に立っているスチュア―トが、訝しげに問うてきた。
サラサラの銀髪と、髪と同色の瞳は、磨き上げた銀細工のように神々しい。じきに齢二十二になる彼は、いつ見ても、ここアッサラ―ン王国の王子という肩書にふさわしい見目麗しい容姿をしている。
「い、いいえ。ごめんなさい。少し、体調が優れないようでして……」
「そうか。それでは、部屋で少し休むといい。私は、エリーゼと庭園を散策してくる」
「分かりました。どうぞ、楽しんでいらしてください」
正式な婚約者であるアンジェリ―ナが部屋に戻るのを見送りもせず、スチュアートはさっそくエリーゼの腰に手をやり、庭へとエスコートを始めている。
「おと……セレ……」
ふいに心に浮かんだ謎の言葉が、口をついて出ていた。途端に心臓が鼓動を速め、頭の中で不思議な映像が目まぐるしく回転を始める。
「アンジェリ―ナ? 何か言ったか?」
エリーゼの隣に立っているスチュア―トが、訝しげに問うてきた。
サラサラの銀髪と、髪と同色の瞳は、磨き上げた銀細工のように神々しい。じきに齢二十二になる彼は、いつ見ても、ここアッサラ―ン王国の王子という肩書にふさわしい見目麗しい容姿をしている。
「い、いいえ。ごめんなさい。少し、体調が優れないようでして……」
「そうか。それでは、部屋で少し休むといい。私は、エリーゼと庭園を散策してくる」
「分かりました。どうぞ、楽しんでいらしてください」
正式な婚約者であるアンジェリ―ナが部屋に戻るのを見送りもせず、スチュアートはさっそくエリーゼの腰に手をやり、庭へとエスコートを始めている。