「ビクター様。ひとりなら恐ろしくとも、ふたりなら恐ろしくはありません。責任も連帯となり、二分割です。そういうわけで、アンジェリ―ナ様の秘密のお部屋を一緒に覗いてみませんか?」
ビクターが、目を泳がせる。
「そんな……。見るなと言われたのに、そのようなアンジェリ―ナ様を裏切るような真似、俺にはできません」
「でも、気になりませんか?」
「気になります。気になり過ぎて、夜も眠れぬほどに」
「でしょ、でしょ!?」
「――くっ」
苦しげに唸ったあとで、ビクターはララから視線を逸らした。だがすぐに、ちろりと視線を戻す。
迷いを浮かべるブルーの瞳とばっちり目を合わせ、ララはにんまりと微笑んだ。
その日の深夜。
アンジェリ―ナの部屋を覗き、彼女が就寝したのを確認したララは、こっそり中に足を踏み入れた。
ベッドからは、寝息が微かに響いている。
抜き足差し足で近づいたのは、ベッドサイドに置かれた木製のサイドテーブルだった。その引き出しの奥に、彼女が開かずの部屋の鍵を管理しているのを、ララは知っていた。
ビクターが、目を泳がせる。
「そんな……。見るなと言われたのに、そのようなアンジェリ―ナ様を裏切るような真似、俺にはできません」
「でも、気になりませんか?」
「気になります。気になり過ぎて、夜も眠れぬほどに」
「でしょ、でしょ!?」
「――くっ」
苦しげに唸ったあとで、ビクターはララから視線を逸らした。だがすぐに、ちろりと視線を戻す。
迷いを浮かべるブルーの瞳とばっちり目を合わせ、ララはにんまりと微笑んだ。
その日の深夜。
アンジェリ―ナの部屋を覗き、彼女が就寝したのを確認したララは、こっそり中に足を踏み入れた。
ベッドからは、寝息が微かに響いている。
抜き足差し足で近づいたのは、ベッドサイドに置かれた木製のサイドテーブルだった。その引き出しの奥に、彼女が開かずの部屋の鍵を管理しているのを、ララは知っていた。