“悪魔の塔”の五階には、アンジェリ―ナが自分以外の人間の入室を禁止している、開かずの部屋がある。
アンジェリ―ナは定期的にその部屋を訪れ、数時間滞在したあと、自室に戻る。その部屋には掃除に入ることすら許されていなかった。
ララは、それが不気味で仕方がない。
部屋の中に、一体何があるのか。アンジェリ―ナは、そこで何をしているのか。
「気になりませんか? ビクター様」
今日も今日とてこの“悪魔の塔”は、どろどろとした曇り空が広がる、爽やかとは言い難い朝を迎えていた。光のほとんど入らない食堂も、相変わらずの薄暗さだ。
ララは朝食を食べているビクターの向かいに座り、ランプの光にぼうっと自身の顔を照らしながら、ビクターに問いかけた。
ビクターはすぐさまフォークを置くと、ブルーの瞳を鈍く光らせる。
「ものすごく、気になりますね」
「やっぱり? ですよね!」
(よかった、思った通り食いついた!)
ララは、にんまりと微笑む。
アンジェリ―ナは定期的にその部屋を訪れ、数時間滞在したあと、自室に戻る。その部屋には掃除に入ることすら許されていなかった。
ララは、それが不気味で仕方がない。
部屋の中に、一体何があるのか。アンジェリ―ナは、そこで何をしているのか。
「気になりませんか? ビクター様」
今日も今日とてこの“悪魔の塔”は、どろどろとした曇り空が広がる、爽やかとは言い難い朝を迎えていた。光のほとんど入らない食堂も、相変わらずの薄暗さだ。
ララは朝食を食べているビクターの向かいに座り、ランプの光にぼうっと自身の顔を照らしながら、ビクターに問いかけた。
ビクターはすぐさまフォークを置くと、ブルーの瞳を鈍く光らせる。
「ものすごく、気になりますね」
「やっぱり? ですよね!」
(よかった、思った通り食いついた!)
ララは、にんまりと微笑む。