☆十環side☆
次の朝
俺はバスに乗った。
一颯かぁ……
本当に変わった奴だよね……
普通
会ったばかりの奴に暴露しないよ。
『妹が好き』なんてさ。
俺は
チームTODOMEKIのメンバー以外
信用しないって決めている。
どうせみんな
俺を見下すだけだから。
でも……
一颯のことは……
信じていいかなとも思ってしまう
自分がいる。
一颯が俺に
自分の心の闇を暴露してくれたように
俺も一颯に
自分の心の闇をわかってもらいたいと
思ってしまうことがある。
そう思う反面
やっぱり怖い。
一颯は俺なんかと
友達になりたいんじゃなくて
ただ憧れの高校に入学するために
俺をだましているんじゃないかって。
一颯を信じたい自分と
信じて裏切られるのが怖い自分。
相反する2つの思いが
俺の心の中をぐちゃぐちゃにかき乱す。
そしていつの間にか、
一颯との約束の場所に到着した。