「十環……

 俺さ……

 妹が……好きなんだよね」


「は?」


 ブルーハワイ色の髪をした美少年は
 わかりやすいくらい動揺をしている。


 目をぱちぱちさせ始めたかと思うと
 首を小刻みに左右に振り始めた。


「一颯……

 それってさ……

 兄として、妹が好きってこと?」


「違うから。

 男として
 六花のことが好きってこと」


「わっっ!!」


 十環は
 俺の発言にものすごくびっくりしたらしい。


 急に体をビクっと跳ね上げると
 俺の宝物が宙を飛んだ。


 あ……


 あ……あ……


 あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!



 俺の宝物が……


 溝のちっちゃい穴の中に……

 
 落ちっちゃったんですけど……