「俺の好きな人……

 生徒会長だった」


「やっぱりな」


 え? 


 そこ、驚くところだよね?


「な……なんで?

  やっぱりって、どういうこと?」


「だってさ
 生徒会長の名前、結愛だったし」


「へ?」


「それにさ
 さっき結愛さんに話しかけられてから
 十環、態度おかしいじゃん」


 さすが一颯。


 俺たちを取り囲んでいた女子たちには
 気づかれなかったのに。


 一颯は
 俺がいつもと違うって
 お見通しだったわけだ。


「で?」



「結愛さんから……

 キャラメルもらった」


「それは俺も見てたし。

 で? 

 他にもなんかあったんだろ?」


「書いてあった。

 『放課後 この前の階段に来て』って」



 俺が恥ずかしそうにつぶやいた
 言葉を聞いて
 目を見開いた一颯。


 そしてなぜか
 顔を真っ赤に染めて
 ニヤニヤし始めた。