廊下の端で囲まれている俺たちの方に
 ニコニコしながら向かってきている。


 そして俺の前まで来ると
 一颯に向かって話しかけた。


「赤城くん、さっきの新入生代表挨拶
 堂々としていて素敵でした。

 お疲れ様」


 女神のように
 おっとりと微笑む結愛さんに
 つい見とれてしまった。


 でも、その微笑みが
 俺に向けられたものじゃないことに
 イライラしてしまう自分がいる。


 その時


「これ、落としたよ」


 結愛さんが俺の手に
 何かをのせた。


 ニコッと俺の目を見て
 微笑んだと思ったら
 スッと立ち去ってしまった。



「あの人が生徒会長でしょ?」


「どの角度から見ても
 綺麗だったね」


「笑顔も優しい感じで
 私もあんな女性になりたいな」


 呆然と立ち尽くす俺の周りで
 女子たちがざわめいている。


 はっと我に返り
 手のひらに乗せられたものを見た。


 これ……


 キャラメル?