え?

 ちょ、ちょっと待って!!


 屋上に続く階段にいた
 眠り姫は……


 キャラメルを食べながら
 本を読もうと思っていのに
 いつのまにか寝ちゃった
 ちょっと緩い感じの先輩は……


 みんなから憧れの的の
 生徒会長?


 祝辞を述べる結愛さんは
 百合の花のように
 清楚で凛としていて
 眠り姫とは別人みたいだ。


 でも、祝辞のあとに見せた笑顔が
 タンポポが開いたように柔らかくて
 そのギャップに
 ドキッと心臓が飛び跳ねた。


 結愛さんの魅力に心を奪われたのは
 俺だけではないようだ。


「やっべ~。 

 あの生徒会長、マジでストライク」


「ありゃ、みんな惚れるよな」


「ま、もう彼氏がいると思うけどな」


 俺の心の中を
 ちょっと粗目の言葉で
 みんなが代弁してくれている。


 結愛さんと付き合えたらなって
 夢見ていたのは数分前まで。


 俺はとんでもない相手を
 好きになっていたらしい。