「十環さ
 今度俺の大好きなチョコパイも
 食べてみてみろよ。

 俺と友達になったってことはさ
 チョコパイもおいしいって
 思えるかもしれないじゃん」


「何、その意味不明な考え」


「だってさ、俺たち友達じゃん」


「一颯はまだ
 俺の家に来てないでしょ?

 俺、言ったよね?

 俺の家に遊びに来たら
 友達になるって」


「言われたけど……」


「ま、友達かっこ仮ってことに
 しておいてあげる」


「十環。

 俺をそんな中途半端な扱いにしてたら
 いつか後悔する。

 絶対に。

 あ、今度十環が髪色を変えたいって
 相談してきたら
 とんでもない色をすすめてやるからな」


「一颯にそんなことされても大丈夫だよ。

 だって俺には、礼音さんがいるから。

 礼音さんは
 似合わない髪色に染めたりなんて
 絶対にしないと思うからね」


「礼音さんを紹介してやったのは、俺だぞ。

 ちょっとは感謝しろよな」


「しているよ、感謝。

 もう削れなくなった
 鉛筆くらいね」


「ちっちゃ!!」