「そう思うと、俺……

 一颯といると
 楽しいって言うか……

 一颯と冗談を言い合っている時間が
 心地いいって言うか……」


「一颯くんも
 この前カットに来た時に
 同じようなこと言っていたよ。

 一颯くんって
 友達作るのあんまり得意じゃない
 一匹オオカミタイプじゃん。

 ま、あれだけのルックスだからさ
 男子からは嫉妬されちゃうんだと
 思うけど。

 でも、そんな一颯くんが
 十環くんの話を俺にしてくれた時にさ
 なんか安心したんだよね。

 俺が言うのもおかしいけどさ。

 ありがとね。
 一颯くんと友達になってくれて」


 そう微笑む礼音さんの瞳が優しくて
 俺の心がじわじわと
 温かくなるのがわかった。