◇◇◇◇
中学の卒業式も終わり
もうすぐ高校生活が始まる。
今日は
一颯に紹介してもらった美容院で
髪をキャラメル色に
染めてもらうことになっている。
15分ほど早く
着きすぎてしまったけど
俺は『スプリング』という名の
美容院のドアをくぐった。
「いらっしゃいませ」
「予約した、桃瀬です」
「お待ちしておりました。
コートと荷物をお預かりしますね。
担当する花名(かめい)ですが
今ちょっと家に帰っていて。
もうすぐ来ると思うので
こちらに掛けてお待ちください」
柔らかい微笑みの女性に
案内されるままに席に座ると
階段を猛スピードで駆け下りる男性が。
そして、俺の後ろでぴたりと止まると
鏡越しに俺に微笑みかけた。
「十環くんだよね?
遅くなってごめんね。
スタイリストの花名 礼音(かめい れおん)
です」
この人が礼音さん……?
半端なくカッコいい……
一颯が男として惚れているのが
よくわかる。
「それにしても、十環くんの髪色
すっごく綺麗な水色だね。
今日は茶色系に染めるって聞いてるけど
本当に良いの?」
「はい。
一颯が俺に似合う髪色を選んでくれて。
このキャラメルみたいな色に
染めて欲しいんですけど」
「一颯くんが選んだ色なら
間違いないね。
今用意するから
ちょっと待っていてくれる?」
そう言って
礼音さんは手際よくカラーの準備をして
もう一人連れて
また俺のところに戻ってきた。
中学の卒業式も終わり
もうすぐ高校生活が始まる。
今日は
一颯に紹介してもらった美容院で
髪をキャラメル色に
染めてもらうことになっている。
15分ほど早く
着きすぎてしまったけど
俺は『スプリング』という名の
美容院のドアをくぐった。
「いらっしゃいませ」
「予約した、桃瀬です」
「お待ちしておりました。
コートと荷物をお預かりしますね。
担当する花名(かめい)ですが
今ちょっと家に帰っていて。
もうすぐ来ると思うので
こちらに掛けてお待ちください」
柔らかい微笑みの女性に
案内されるままに席に座ると
階段を猛スピードで駆け下りる男性が。
そして、俺の後ろでぴたりと止まると
鏡越しに俺に微笑みかけた。
「十環くんだよね?
遅くなってごめんね。
スタイリストの花名 礼音(かめい れおん)
です」
この人が礼音さん……?
半端なくカッコいい……
一颯が男として惚れているのが
よくわかる。
「それにしても、十環くんの髪色
すっごく綺麗な水色だね。
今日は茶色系に染めるって聞いてるけど
本当に良いの?」
「はい。
一颯が俺に似合う髪色を選んでくれて。
このキャラメルみたいな色に
染めて欲しいんですけど」
「一颯くんが選んだ色なら
間違いないね。
今用意するから
ちょっと待っていてくれる?」
そう言って
礼音さんは手際よくカラーの準備をして
もう一人連れて
また俺のところに戻ってきた。