あいつだ!


 帰る人の波に逆らい
 快晴の空と同化した
 爽やかな水色ヘッドを追いかけた。


 そして近づいた瞬間
 俺はついつい
 桃瀬の顔に見とれてしまった。


 こいつ……

 顔面偏差値……高すぎ……


 しかも
 宝石みたいに煌めく
 ブルーハワイ色の髪が
 似合いすぎだし。


 俺のことなんて
 視界に全く入ってない桃瀬は
 俺の横を素通り。


 って……


 ダメじゃん、俺!


 桃瀬に声をかけなきゃ!


 俺は深く息を吸い込み体中に巡らせると
 ゆっくりと吐き出した。


 そして、桃瀬の前に駆け寄った。