「わああ!雪だ!!」


ゆらゆらと空から落ちてくる白い玉。
それをみてはしゃぐ人たち。

わたしはただ一人、下を見つめる。

もう何人もの足元を見ただろう。
わたしの待ち人は、来ない。



約束していた日、

『絶対遅れるなよ?!』


約束していた場所、

『もう!すっごいサプライズ用意しているからな!』


約束していた人、

『言ったらサプライズじゃないって?
ばっかだなあ、言ってもサプライズになるくらいのサプライズなんだよ!』


いつまで待っててももう来ることはないのだろう。


『もしもし、もう待たなくていいよ。
俺のことはもう忘れてほしい』