向日葵のような君へ~前編~

そんな日々をずっと過ごし今は12月の下旬になった

辺りは受験シーズン真っ只中

今日もみんなで放課後いつもの公園で話していた

光琉「もう、さすがに寒いな…」

智也「そりゃ今は12月だからな…」

私はあることを言うことに決めた

美月「ねぇみんな話があるの」

智也「どうした?」

美月「私ね、みんなには幸せになって欲しいんだ」

光琉「また、その話か?行っとくけど俺達はお前のそばにいるぞ!」

美月「そうじゃなくて…」

陽菜「…きぃ?」

美月「私ね高校は田舎の西原高校に決めたんだ。」
智也「えっ?」

美月「私ねまだ3人以外の同級生は怖くて…だからみんなが居ない遠い所へ行くって決めたんだ。」

光琉「…」

美月「私ね、先生から聞いたよ。智也と光琉は東高校からスカウト来てるんでしょ?」

智也と光琉は驚いていた。

美月「陽菜も頭良いのに、偏差値高いとこだって余裕で行けるのに3人はまだ高校決めてないんでしょ?」

陽菜は黙って私の話を聞いていた

美月「私、みんなは私のことを一旦忘れて自分が本当に行きたい所へ行って欲しいの。

光琉は中学だって私がいるからスカウト蹴ってここに来たでしょ?

私、あの時は嬉しかった。でも今思うと私は光琉の可能性を壊していたんだよね…

私もう同じことを繰り返したくない」

光琉「違う!
俺は自分の意志でここに来たんだ!」

美月「そんなわけない!光琉があの中学のパンフずっと家に置いてること私知ってるんだよ?」

光琉「!!!」

美月「本当はレベルがもっと上のとこでしたかったんでしょ?

だからね、高校は自分の思うとこに行って欲しいの。3人とも。」
それでも3人は何も言わない。だから、私はずるいことを言うんだ

美月「智也と光琉には私の分までサッカーをして欲しいの。

『全国に行く』私の夢はもう叶えれないから2人には叶えて欲しいの。私の分まで

だって私サッカーもう出来ないからさ。


陽菜もだよ?夢あるんでしょ?それ、私の
分まで叶えてよ!

私の夢はもう無くなったからさ…」

そう言うと3人はとても悲しい顔をした。

こんなこと言ってごめんね…でも優しいみんなならこうでも言わないと決めてきれないでしょ?

智也「東に行ったら俺達は遠距離だぞ?

それでもいいのか?」

美月「うん…私は智也を信じるから」

智也「そっか…」

あと少し、押せばいけるかな…

美月「3人は幸せになって?」

私は笑顔でそう言った

すると、3人は…

3人「分かった」

ってそう言った…

光琉「俺はお前の分までサッカー頑張るからな」

智也「美月の夢は俺に任せろ!」

陽菜「背中押してくれてありがとう」

3人はどこか吹っ切れた顔をしていた。

良かった…私は心底そう思った
美月が打ち明けてくれた時から俺達は美月の側にずっと居た。

まだいじめは終わらないけど俺達は犯人を密かに探していた

中々しっぽを掴めないが…俺達は美月の笑顔を見るだけで力が出る。

だから諦めてなんかない

そして美月は俺達に『好きな高校へ行け』そう言った

自分は無理だからと…

そんな顔をして言う君は本当にずるいと思う

そんな顔して断れることが出来ないってことを君は知ってるくせに…

本当に君はずるくて優しい…

美月がサッカーを出来ないと知った時は驚いたし、辛かった

だからその分まで俺と光琉は頑張って行こうと思う。
美月に言われてから俺達は直ぐに行動に移した。

陽菜は翌日の放課後に担任と2者面談をしていた。

陽菜はここら辺で1番偏差値の高い高校に行くことを決めたらしい。

美月はそれを聞いてとても嬉しそうに微笑んだ。

そして『次は智也と光琉の番だよ』

そう言って優しく背中を押したんだ。
俺達は今監督の元へ向かっている
光琉「いやぁ。全く美月には敵わないな…」

光琉がふと呟いた

智也「本当だよな…美月はやっぱり強いな」

光琉「お前は、いいのか?遠距離になるんだぞ…」

智也「その事なんだけど……」

俺は美月に夢を託されてからずっと思っていたことを光琉に話した

光琉「お前ならそうするって思ってたよ」

光琉は全て分かっていたかのように言った

智也「反対しないのか?」

光琉「美月のことを思っての判断だろ?

なら、俺は何も言わねぇよ」

智也「ありがとうな、光琉」

光琉「おう。」

そんな会話をしながら俺達は監督のいる教室についた
ガラガラ―――

光琉・智也「失礼します」

監督「そろそろ、来ると思ってたよ。

スカウトの件だろ?」

俺たちは頷いた

監督「どうするんだ?」

智也・光琉「東高校に行かせてください」

監督「そっか…随分と悩んでいたようだが…

決めた理由を教えてもらってもいいか?」

光琉「大事なやつに背中を押されたんです」

智也「自分の分までサッカーを頑張って欲しいって」
監督「もしかして、それは岡田か?」

俺達は何も答えなかった…

監督「そっか…すまないな…」

監督はいきなり頭を下げた

智也・光琉「監督!?」

監督「少し昔話をしようか…」
ついにこれを言う時が来たな…

あれは、今から3年前…

俺は小学校の大会の試合を見に来ていた。
それはもちろん俺のチームへスカウトするためだ

俺はとあるチームの2人のプレーに釘付けになった。

それは小迫と岡田の2人だ

あいつらは完璧なコンビネーションで敵を次々と交わしてシュートを決めていた。

あれは本当に小学生なのだろうか。と疑った程だ…

決勝に楽々と進みこのチームが優勝するだろうと俺は確信していたし周りもそう思っていた

でもそのチームは負けた。