「はい次、海風の番」
私に大打撃を与えたセリフを平然と吐いた遥琉を今すぐ殴ってやりたい。
ってか、答えられない。
でも、負けたくない。
舐められたくない。
遥琉ばっかり優位に立ったみたいな顔をして。
私の後ろに隠れてばっかりだったくせに。
この恩知らず。
いつのまにかずいぶんと離れてしまった距離が。
悔しい。
「……っ、」
「やっぱり、したことないんだ」
明らかにバカにした浮かれた声。
笑いたいんだ、私のこと。
「……だったらなによ」
笑いたきゃ笑えばいい。
経験値は自分の方が上でなんでも知ってるって、私のこと好きだけ見下せばいいよ。
「……海風もしてみる?」
「は?」
遥琉のおバカ発言に過剰に反応した私はもっとおバカだ。