「意味わかるじゃん。ああいうことするのに慣れてたら別に見たってどうってことないでしょ、いちいち過剰に反応する必要なくないって言ってる」
「はい?ああいうこと人が見てるところでやるのは違うでしょ」
「じゃあ、海風はふたりきりの時にイチャつきたいんだ」
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ダメだ、言葉が通じない。
昔は、遥琉の手を握っただけで、遥琉がなにを考えてるのかわかった。
寂しいのかお腹が空いてるのか、楽しんでいるのか。
だけど今は全然わかんない。
多分、本格的に宇宙人になったのかも。
あぁ、それならその綺麗な瞳も理解できるかも。
宇宙人なんだね、遥琉。
「俺にとっては挨拶みたいなもんだし、見られたらどうとか思うのがわからない」
「……へーーーー。じゃあもうなに言ってもわかってもらえないからこの話終わり」
「勝手に終わらせないで。海風まだ俺の質問に答えてないよ」
「は?」
「海風の初キスっていつよ」
「……っ、」
黙ってよ。
これ以上、私の気持ちを踏みにじるようなこと言わないでよ。
遥琉が隣にいる、遥琉が私に話しかけている。
その事実に鼓動は速くなるばかりだけれど、イライラでそんなことも忘れそうな勢いだ。