「別に遥琉が誰となにしよーと勝手だけど、」
「じゃあなんで怒ってんの」
伏せていた目をわずかにあげれば、なんとも涼しい顔をした遥琉がこちらを見ている。
やってることはとても良いこととは言えないのに、その瞳は少しも濁ってなくて透明感がある。
そんな目に吸い込まれそうな自分が嫌で、すぐに視線を落とす。
「……そんなの、あんなの見せられたら誰だって」
「誰だって、なに?」
まるで私の方がおかしいと言いたげな声。
「誰だって……」
「顔真っ赤だけど」
「っ、」
突いて欲しくないところをピンポイントで攻めれて、さらにカッと頭に血が上り、遥琉をキッと睨み付ける。
「やっぱり、海風には刺激が強すぎたんだ?海風って初キスまだなの」
「……なに言ってんのよ、意味わかんないから」
『悪かった』なんて思ってる人のセリフじゃないから。
なんでそんなこと聞くのよ。
なんでイラつかせることばかりいうのよ。
久しぶりに話して、ますます遥琉の言動が理解できない。