そろそろもう祭りが終わる。
屋台もどんどん片付けられていく。
「もう終わりだな」
と言った温太の顔が少し寂しそうだった。
「そうだね」と返す
あっという間だ。
楽しかったなぁ…
みんなとこれてよかった
温太…
「おいーもう解散しよーぜ。温太と芽夢は2人同じ方向だよな?俺たちは琴音と陽奈子、送ってくわ」
少し離れたところから聞こえる。
樹くんはいつも仕切るのが上手。みんなのまとめ役で面白くて。尊敬する人
ふいに琴音の方を向いた。
「え?まって、芽夢ちゃんと温太2人で帰るの?」
と少し怒ったように琴音は言った。
「え??」
…
シーンとなってしまった。私はなんて言っていいかも分からなかった。
なんかダメなのかな?琴音は今日いつもより違ったような気がした。
特に温太といる時が…
すると、樹くんが切り出す。
「もう遅いし、今日はこれで。陽奈子、琴音行こうぜ!置いてくぞ〜!じゃーな2人とも!」
樹くんのおかげでさっきよりも軽くなった
何も言わずに、ただ頷く琴音。
樹くんに手を引かれそのまま歩く
そんな4人を私と温太は手を振って見送る。
けど、琴音に私は何かしてしまったような気分だ。
ハッと気づくと温太はこっちを見ていた。
その瞬間ドキッとした。
顔が近くにあったから…誰だってびっくりする。
「あ、ごめん。私ぼーっとしてて。」
「あぁ。ヘーキ、少し遠回りしいこー」
遠回り??
「いいよ」としか言えなかった。
なんか気まずい
琴音って温太が好きなのかな?そんな雰囲気、前はなかったよ。
なんかモヤモヤする。なんでだろう
やだな。
さっきまで祭り会場だった道もあっけなくいつもの道になっている。
「静かだなー。てかりんご飴、食べれないなら買うなよ。良かったよ、残さなくて」
「ありがとう、その為に食べてくれたんだよね」
そうゆう所優しくて友達として好き
「おう」
正直、嬉しかった。ありがとう温太
「ねね、温太…今日琴音いつもと違くなかった?」
いきなりこんなことも聞くのおかしいかな?
返事がないからパッと横を見ると、意味ありな顔をしてそっぽを向く温太。
「別に?いつも通りだと思うけどね」
「そっ、そっかー」
琴音って温太の事好きなのかな?
なんて思うようになった。モヤモヤする…