馬乗りというか、もはや、なんだろう




「ただいま」



「……お前らなにしてんの?」


こんな絶妙なタイミングで、泉と新が帰ってきて…


「ん?朔、杏のこと押し倒してるんですか?」


側から見れば、あたしは朔に押し倒されてるように見える

「服着ないで何してんだよ!」と泉が朔の頭を思いっきり叩く


あたしは何が起こったか分からずに、硬直している
頭だけはフル回転


チラリと朔をみると目が合い、朔は顔が真っ赤に……は?

そこで身体がようやく動く


「ごめん、手、痛かった?」


咄嗟に飛び込んできた朔は、あたしの頭をガードしてくれたけど、きっと手が痛かったのだろう
あたし石頭やし

石頭と床に挟まれたら…痛いよな?


「ばか野郎!ゆ、ゆかちゃんとみろよ!」

「なに?ゆかちゃん?誰やねんそれ」

「ちげーよ!ゆ、ゆかを!!!」


バッとあたしの上から飛び跳ねるようにどいた朔は、謎のゆかちゃんという女の子の名前をつぶやく
尻餅は着いたけど、響が腕を引っ張ってくれたおかげで、お尻も痛くない