アホみたいに広かった家も、こんだけ人がいると、いいくらいの広さ

廊下をスキップ気味に飛び跳ねて、キッチンで手伝いをしてくれている2人の元へ…


リビングの扉を開けると、すぐさま上半身裸の2人が目に入る


そして荒れたキッチン


え?と思ったとき、朔と響の大きな声がした


「「ちょ!ストップ!!!」」


なにが?と思ったがもう遅い
あたしは普通に2人の元へ行こうと足を踏み出していた


そして素足のあたしの足の裏に、なんとも言えない、ぬるりとした感覚が…そして

滑った



全てがスローモーション


こける!
もう漫画みたいにすってんころりんってくらい!片足がつるりんと滑り

頭から後ろに倒れる


そこまで把握できるくらいスローモーション

でも突然のことすぎて受け身なんて……




ドスン



いった…

くない?


転ぶ手前、朔と響が飛び込んでくれたのか

あたしの頭の後ろに朔の手が…
響の手があたしの腕を掴み、完全に転ぶ手前で止まる


えっと

ナニコレ


あたしの視界には、朔の顔
あたしに体重がかからないように、そしてあたしの頭が床にぶつからないように…