パーーーーーっと満面の笑みになる杏は、これでもかってくらい、頷いた


「皐月ちゃんって言うの?彼女!可愛い名前!え?お祭りの日に会えるん?てゆうか、新、皐月ちゃんがくる日になんでバイト入れてんの?お祭り一緒に行かへんの?」


早口で興奮気味の杏
それは俺も思った。確か去年は、佐野が来た時に、祭りに2人で行っていた気がする。

付き合い長いしそんなものなのか?と勝手に想像してると、思ってたのと違う答えが返ってきた


「いや、普通に忘れてました」


その返事を聞いて、杏のブーイング


「ひど!絶対楽しみにしてたやん!」

「……だから、仲良くしてあげてくださいと、お願いしたじゃないですか」

「アホやな!久しぶりに会うんやろ?そら2人でデートしたいに決まってるやん!」

「なんですか?杏は彼氏ができたらお祭りデートとかしちゃうタイプですか?」


あーあ
新のいじりスイッチが入ってしまった


「な!で、デートって、そら知らんけど…好きな人やったらしたいんちゃうん?」

謎に照れ出す杏をみて、クスクスと笑う新は、敵に回したくない