「一時期は忘れられていたんですけど、最近また夢でうなされたりして、解決するしかないってそう思ったみたいです」

「姉さんの事を調べに?だから、北海道に?」

「はい」

「………そう」

叔母さんは黙って考え込んでしまった

「…実はね、姉さんから緋色に遺書があるの」

「ええ!?」

「二十歳になったら渡して欲しいって…
いつ渡そうか考えていたらちょうど電話を貰ったから…これを機に渡そうと」

「じゃあ、そこに何か書いてあるかもしれないんですね?」

「ええ。きっと…」

叔母さんが力強く頷いた

「今日の夜に持ってくるわ…
その時また何か用意するけど…何か食べたいものとかある?」

「え?いいえ!大丈夫ですから、お気遣いなく」

「お気遣いしたいから言ってるのよ!叔母さんだって、たまには甘えられたいものなの!」

う…

「…じゃ、じゃあ、またフルーツを…いただきたいんですが…」

「はい、了解しました!」

叔母さんの無邪気さに、思わず吹き出してしまう

緋色のお母さんも、こんな人だったのかな…