「ごちそうさまでした、美味しかったです」

幸せ心地で、満面の笑みになってしまった

「よかった…、確かに今日のは上出来だったかも」

叔母さんもお茶目に笑う

「ねぇ、碧依ちゃん…
緋色はどうして突然、ここに来たいなんて言い出したのかしら…?」

「…それは」

「何か…あったの?」

「………」

言おうか躊躇ったけど、緋色も信頼している叔母さんだから

冷たい麦茶をゴクリと飲み、気合いを入れた

「緋色…、ショックなことがあったんです」

「三條さんの逮捕?」

「いえ…、DNA鑑定でお父さんとは他人だと、本妻に言われたんです」

「な!なんですって!?」

叔母さんは思わず大きな声を出している

「緋色は、本妻の事を信用していないので、使用人とかでもでっち上げれるから信憑性にかけるなんて言ってたけど…ショックだったんです」

叔母さんは口に手を当てて、黙って聞いていた

「緋色のお父さんは、それでも緋色を息子だと信じて疑わないみたいなんですが、当の本人は自分が誰なのか解らないんだって…言っていました」