ゆっくり目を開くと、緋色の叔母さんが見えた

「あら?ごめんなさい、起こしてしまったかしら?」

テーブルに土鍋が置かれ、叔母さんがフキンで蓋を開け、中をかき混ぜているところだった

「あ、いえ…」

ゆっくり身体を起こそうとすると、「いいのよ、まだ寝てて!」と言われた

「いえ、大分楽になりましたから…」

笑顔を見せると叔母さんは安心したように笑った

「じゃあ、雑炊…食べる?」

「あ、すみません…」

「うふふ、手作りなんだ…」

叔母さんは嬉しそうにお椀によそってくれた

「ご迷惑かけてすみません…」

「ううん…、お世話が出来て嬉しいわ…
叔母さんね、子供がいないの…」

「え?」

「子供が出来なくて、緋色を引き取りたかったんだけど…反対されてしまってね。
だから、緋色や碧依ちゃんにお世話できて嬉しい…


叔母さん…

「じゃあ、甘えて…」

私も笑ってテーブルについた

「実は二人分…うふふ」

叔母さんが幸せそうに笑ってくれたから、私も笑ってお椀を受け取った

卵と野菜の入った雑炊はすごく美味しくて、心まで温かくなる

私は気付けば、夢の内容をすっかり忘れていた