夕食のバイキングもかなり激ウマだったが、碧依があまり食べていないことに気がついた
「どうした?」
「ごめん…、何かちょっと」
調子が悪そうにしている碧依と部屋へ行くと、碧依を布団へ寝せる
額に手をやると、かなり熱くなっていた
「いつから?」
「何か、お風呂に入ってたら寒くて、身体も痛くなってきて…」
「風邪だろ?待ってろ…」
俺はフロントに電話して、氷枕と薬をもらった
「毎日、暑い中自転車こいで、冷房の強い店でバイトしてたからかな〜」
碧依がそんなことをのらりくらり話しているので、「いいから、寝てろ」と言った…
でも碧依は首を横に振る
「嫌だ…眠りたくないよ…」
「何でだよ…、少しは良くなるから」
「だって…こんな時は必ず嫌な夢をみるから…」
碧依の切なそうな顔を見て、俺まで切なくなる
「気持ちもわかるけど…今は身体を休めてやれ。疲れてるんだよ」
「緋色…」
「ここにいるから…ずっと」
「うん…」
碧依は眉間にしわをよせながら、静かに目を閉じた