「失礼な!!帰ったらちゃんと手紙だって書くし、何かお礼だって送るよ」

「絶対〜?」

「何だよ、ムカつくな…押すぞ!」

「キャー、止めてよ!」

そんなじゃれ合いをしていた時、ジャストタイミングで仲居さんがやって来た

見られていた…

「…あの…」

「あ!はい?」

「お楽しみ中すみませんが、今日は『桔梗の間』にて御夕食はバイキングですので…」

「はい、わかりました…」

つい恥ずかしさから早口になってしまう

仲居さんはにこやかに外へ出ていった

絶対何か言うんだろうな…と思った



「緋色、私、大浴場の方に行ってみたいな」

「おう!行ってこい」

「緋色は?」

「俺はもちろん、ここ!」

ベランダを指差す

碧依はやっぱり!という顔で笑い、準備をすると楽しそうに出ていった

さて、俺も入ろうかな

ルンルン気分でタオルを持って外へ出た