「見て見て!甥なの。甥と彼女!」

「初めまして」

二人で礼をすると、社員の人もにこやかに礼をしてくれた

「いくつなんですか?」

「あ、二十歳です」

「若いな〜!いいね、今が一番いい時ですね」

そんな会話をしていると、一人の仲居さんが鍵を持ってきてくれる

「女将さん、準備オッケーですよ」

「ごめんね、急がせて。ありがとう」

叔母さんが言うと、「じゃあ部屋へ案内するから」と振り向いた

エレベーターに乗って、三階へ向かう

部屋からは滝が見えて、すごくきれいな景色の場所だった

「私ね、この部屋が一番好きなの」

叔母さんが窓の外を見ながら、呟いた

「すごい!」

二人で叔母さんの隣に立って、しばらく景色を堪能した



「じゃあ、私は仕事に行くから、夜にゆっくり話しましょう…
何かあったら遠慮なく言ってね」

叔母さんは女将の表情に戻って部屋を出ていった

「きれいな人だね…」

「若いよな…」

「なんか、すごいね」

碧依がテーブルに移動し、二人分のお茶を入れる

「何となく、緋色のお母さんを見たような気がした」