「…いろ、」

うーん…

「ひいろ…」

『この子は…』

「緋色!!」


ハッとして目が覚めた


「緋色、大丈夫?またうなされてたよ?」

俺がゆっくり身を起こすと、隣で心配した顔の碧依が覗いていた

「…またあの夢?」

「…ああ。夢とは言いがたいな…過去だから」

碧依は何も言わずに立ち上がり、冷蔵庫から水を持ってきてくれる

「悪ぃ、サンキュー」

俺が水を飲みながら時計に目をやると、3時を過ぎていた

「…俺、ダメだな…」

「何で?」

「こんなことくらいでまたうなされて…」

自分の足を見つめながらため息をついた…

「ダメなんかじゃないよ。そんくらい、ショックだったんでしょ?」

「…ああ、そうだよな」

片手で額をこすると、碧依が俺の頭を撫で始めた

「大丈夫…、何も心配しないで。今は休んで…」

二人でベットにもぐると、碧依は俺の背中をゆっくりさすってくれた

「大丈夫…大丈夫…」

「ああ…」

「緋色は、緋色なんだから」

「ああ…」

暖かさに安心してきた


でもまた、あの日に還っていくんだ…