柔らかい風が、私達の間を通りすぎた
「だから、自殺した」
「…………」
「でも、それは逆に緋色を暗闇の世界に閉じ込める結果になっちゃったけど…」
結局二人は、暗闇の世界とやらを経験したんだ
相手のいない世界
何も感じられない…世界…
「私達は『絶対なんかない』って、今も信じてる…
明日、死ぬかもしれない…
明日、相手がいなくなるかもしれない…
いつもどこかで、そんな不安を抱えてる…」
「今も?」
「うん。でも、私は絶対諦めたりなんかしない。緋色が笑ってくれるなら、どんなことだってできる…
緋色が笑ってる世界、緋色が幸せならどんな事だって!」
ニコッて笑うブルーが、突然眩しく感じた
「緋色が幸せな事が、私の幸せ!」
ちゃんと乗り越えてるブルーの姿に、正直尊敬と言うか、感動なのか、そんな感情を味わった
「そっか…」
私もつられて微笑む
「全く…ごちそうさま!」
「え?のろけに取らないでよ!」
いつも通り、普通に私達は笑う
ブルーの正直な想い…
感動してしまったよ…