「生きてるって知らなかったの?
死んだって聞かされたの?
麻薬の事も隠されて!?
当事者なのに!!??」

「ああ…」

「ひどい…」

「色んな事が起こって、結局碧依が放っておけなくなって、気付けば好きになってたんだ…
蒼湖とは知らずに」

「え…?」

「俺ってバカだよな〜、おんなじ女を二回も好きになるなんて!」

わざとらしく緋色が机に伏せて頭を抱える

「で、気づいたんだ…麻薬の事も、二人が同一人物なんだって事も…」


「緋色が?どうやって?」

「蒼湖と同じ傷が、碧依にあったんだ…

そして碧依は犯人にまた狙われて、襲われた時に記憶を取り戻した」



いつの間にかタバコは長い灰を作って、指先まで来ていた

「何でブルーは狙われたの?」

「逆恨みだよ…蒼湖の叔父と蒼湖の仲を妬んだんだ…
もっともソイツは、その人も殺してる…」

「そんな危険な目に遇ってたの?」

「まあね…」

緋色がクスリと笑った


「だから俺は、アイツをつい二つの名前で呼んでしまう…蒼湖と碧依…」


同一人物だから?


緋色の愛した、二人の彼女…