「いいね〜、友達の事で熱くなれるなんて」

「ガキだって言いたいの?」

「若いって言いたいの。せいぜいキッチリスッキリしておいで」

ふん、

ブチッと携帯を切ってため息をついた


ビルの階段を上がると賑やかな話し声が聞こえてくる

「あれ?綺麗なお姉さんこんにちは〜。これからおじさん達と飲まない?」

下らない酔っぱらいを一瞥して、口にくわえたタバコを指に挟めた

「うるさいな!六法全書暗記してから出直してこい!!」


キツく睨んで追い払う

酔っぱらい共はしぶしぶ階段を降りて行った

「いらっしゃいませー」

店に入ると、威勢のいい挨拶が店内に響く

その時レジにいた一人が私に気づいた

「姫川?」

緋色だ


「何?どうした?ってか一人!?」

「ちょっと話があって…」

「俺に?」

私が頷くと、神妙な表情を受け取ってくれたのか緋色も頷いた

「あと一時間でバイト終わるから、入って待ってろよ。個室に案内するから」

また私が頷くと、緋色が店員さんを呼んで私を促した

途中、「友達ですって〜」なんて照れ笑いしてる緋色の声が聞こえた