「タバコを吸うとバカになる」

そんな事を言われて、反抗する様に吸ってみた

大嫌いな父に、仕返しのつもりだった


そんな私が、大嫌いな父の、大好きな兄貴なんかより、よっぽどいい大学に入ってやった


それからは私の勝利の象徴だった



今は落ち着かない…


心がザワザワして、何を心配してるのか、何に不安なのかが解らない


考えれば考えるほど、緋色とブルーの顔が偽善的に見えて、許せなくなりそう!

大事な友達なのに…


二人の笑顔は誰かの犠牲の上に成り立っている


二人は、その犠牲者に償うために一緒にいる


そう考えてしまってならない



怖い

嫌いになってしまいそうで…

二人を信じられなくなってしまいそうで…

どうしていいか、わからない


聞かなきゃ良かった


バカだよ、詮索なんかするから!


二人が必死で隠していたことなのに


知らなければ、二人を変わらず暖かい目で見られたのに……



「姫、帰らないの?」

気付くと目の前に藤田が立っていた


どうしよう…


言おうか、言わないか…