「………」

「跡取りになりたいのか、認められたいのか、これからどうするのか、見えてくるかもしれない」

王子は俺の顔を怪訝そうに凝視していた…

外に三人、スーツを来た男逹がこちらの様子を伺っているのが見える

守られていた…

やっぱりあの人に…

そう思うと自然に笑顔が出てきた

「お前に価値がないんじゃない。探せよ、自分で」



その時だった



「緋色!今日…」

突然後ろから碧依の声がして、俺は慌てて振り向いた

俺と話していた男の顔を見るなり、碧依は無表情に変わった

「え?」

その瞬間碧依を強く睨んだ王子は、身を翻して学食を飛び出して行ってしまった…

スーツを来た男逹が俺に礼をすると、一人、また一人と王子の後をついていってしまった

「今の…」

「ああ…」

俺の横で俺の裾を不安そうに掴む碧依の手を、強く握った

最後に碧依に向けた憎しみの表情…

ひどく気になった…