「別に…昔の顔見知りを見たくなっただけだよ」

「…俺は警察官になるぞ」

「は?」

「俺の人生の中で警察官という人間に強く影響を受けた…俺が蒼湖を追い込んだときも、俺の義理の父親になるだろう人間も、みんな警察官だ。だから俺は、どの道跡取りにならない。でもアンタが跡取りになりたいなら、なる努力をすればいいだけの話だろ?みんなそうやってるんだから…」

「お前はバカか…犯罪者は所詮上には立てないんだよ」

「跡取り跡取りって、アンタは医者になりたい訳じゃないんだな…」

「………」

「アンタはただ、父親に自分の存在を認めて欲しいだけ…違うか?」

「そんな事は無い!」

「いや、お前は父親に認められたいだけだ…
じゃあ逆にお前は父親の存在を認めているのか?」

「はあ?何なんだ、さっきから…」

「アンタ、一度父親と話をしてみろよ…本気で」