俺は蒼湖がそばにいないか慎重に学食中に目を配った

「ああ、手に入ったよ」

「…そうか…」

氷の王子はどことなく寂しそうに微笑んだ

「おまえも遂に跡取り決定か…。どうだ?経済学部は?楽しいかい?」

???

「はあ?アンタ、何か勘違いしてるだろ?俺は跡取りじゃねーし、経済学部でもねーよ。」

「え?お前こそ何言ってるんだ?跡取り以外、一体何が欲しかったって言うんだよ?」

「…俺は、女一人欲しかっただけだ」

「はあ!?」

一瞬面食らった様な表情を見せたが、直ぐ様爆笑し出した

「寒河江!お前、つまらない男だな!欲しいものがたかが女一人?」

「…お前に理解されようとは思わない。それに俺は、今自分がつまらない人間だなんて思わねーし」

「それはお前が人が持てないものを持ってるからだ!」

「何だよ?」

「跡取りだよ!」

「…お前」

俺は正直ゾッとしていた…

コイツの執着ぶりに