「やってくれるよな〜」

「パクりだもんね!」

飛行機で読む本を買って、二人でブラブラお土産を探す


適当なオモチャを買って、搭乗ゲートまでのんびり歩いた



ふと、隣を歩いていた蒼湖が足を止めていることに気付いた

「蒼湖?」

蒼湖の目線は、隣のゲート

行き先はハワイと書いていた


「私、ハワイにも行ってみたいんだよね〜、新婚旅行とか」

遠い目をしながら、そんなことを呟いた



「新婚旅行か…」

「まあ、いいんだけどさ」

蒼湖は振り向いて、また歩き出そうとした

「じゃあ、来年行こうぜ」

「え?」

不思議そうな顔をして振り返る

「お前の本当の誕生日、3月だろ?」

「…うん…」

死んだことになってしまった、如月蒼湖。

偽装された誕生日は4月だけど、その日は本当の誕生日じゃない

「前から決めてたんだ、お前の二十歳の誕生日に結婚しようって」

「…緋色!!」

蒼湖の頬が、どんどん紅く染まっていく

「いやとは言わせないから。前にクリスマスプレゼントで返事はもらってるし。
だから、来年のゴールデンウィークには、ハワイに行こうか」