蒼湖が本屋で俺を呼びつける

慌てて向かうと、その手にはメンズのファッション雑誌を持っていた

「何だよ?」

「見て…!」

プルプルと震える手にある雑誌の表紙には、見た事のある顔…



「氷の…王子?」

「そう!」



かつて俺らを恐怖に叩き落としたあの顔が、すました顔で表紙を飾っている…

「し、しかも…見て!芸名」

芸名?

二人で雑誌をめくって、王子が写っているページに目を奪われた!!





「…ヒイロ」





二人で顔を見合わせて、思わず爆笑してしまう

「おいおい、俺かよ!」

「王子、相当緋色の事好きなんだね!」

「キモい!!っても、俺、本名も知らねー!」

「私も知らねー!!」


二人、本屋で大爆笑だった

どうやら街でスカウトされ、モデルをやっているらしい…

人に必要とされたがっていたアイツの事だ

さぞ天職だろうなって思う


これでファンがついて、人気者になれば願ったり叶ったりだろう

爆笑しつつも、俺達は祝福しているんだ

仲間の成功に。

旅立ちに。再生に。