「コンセント抜いたし」

「冷蔵庫は?」

「緋色の水以外入ってない」

「元栓は?」

「さっき閉めた」

「じゃあ、いいかな?」



二人で玄関の鍵を閉め、ガラガラとスーツケースを引っ張りながら階段を降りる

「タクシー、まだ来てないね?」

「おかしいな〜、そろそろ来るはずなんだけど」


道路を見渡しているとタクシーがやってくるのがちょうど見えた

トランクにスーツケースを入れ、二人で空港まで向かう

「海外旅行?どこ行くの?」

「アメリカに、こいつの家族がいるんです」

「すごいね〜、アメリカか〜。しばらく会ってないの?」

「はい。滅多に行ける距離じゃないし」

「そうだよね〜」

陽気なドライバーと楽しく過ごしながら、車は空港へ向かった



手続きをとって、スーツケースを預ける

搭乗までまだまだ時間があるから、空港内をブラブラしていた



「緋色!緋色!!」