「如月です。如月緋色。こっちは上野碧依…」


え―――――――――!?

緋色のにっこり笑顔に、つられて私も苦笑い…

「じゃあ、如月さん、気を付けてくださいね」

玄関先で逢坂家と別れを告げ、駅までの道を並んで歩いた


「緋色…?」

「うん」

緋色は私の顔を優しく見つめて頷いた

何が「うん」なのか解らないよ!!



緋色が話してくれるまで仕方がなく私も黙った

































「これでいいんだよな…」


誰にも聞こえないくらいの小さな呟きを逢坂さんがもらしたことは、誰も知らない…


言葉は道路に撒いた水のように、暑い空へと消えていった