「会うなら、どうやってその逢坂さんとやらを探すのよ?」

止まらなくなってしまった桃を、口いっぱい頬張りながら緋色に聞く

緋色はニヤリと笑いながら私を見た

「親父の弁護士なら…解るかもしれない。」

弁護士さんが?

「ちょっと電話して聞いてみる!」

緋色は携帯を持って隣の部屋へ移動した




「…会ってどうするのかしら?」

「全く想像もつきません…」

不安な表情で見つめ合い、また桃につまようじを刺して口に運んだ

緋色…どうするつもりだろう?

20年前の事を掘り起こして、その人に「息子」だと伝えるんだろうか…

甘い果汁がじわりと口の中に広がる



すっと隣の部屋から緋色が入ってきた

「調べて折り返してくれるって…」

「わ、解るんだ…」

「みたい」

緋色もテーブルに座り、桃を頬張る

「旨い!」

「あら、良かった」

不安げな顔を笑顔でやっと隠した叔母さんが、最後の桃を剥く






しばらくの沈黙の後、緋色の携帯が鳴り出した