ぎこちなかった1回目はどうしたのかと思うぐらい、スムーズに出た2回目
名前に気がいかないぐらい、私はイオ様の胸ポケットに目を奪われる。
「どうかしたか?」
そう言うイオ様は、何か分かっているかのように笑って、私から言わせようとしている。
イオ様の胸ポケットに入っているのは、私がカナヤで買った覚えのあるハンカチ
それは、鷹の飼い主さんにお礼として買ったもので、…それを王子が、身につけている……。
「…嘘、王子、が?……あの鷹の飼い主が、王子?」
「王子じゃなくて、イオ、な。」
「えっ、待ってください。…本当に?」
本当なら、私は王子に一方的にお願い事をして、手紙のやり取りまでしたことになる。
考えられないことに、頭がついてかず、ふとアメリアさんの言葉が思い出される。
『私たちのこととか、コヴィーの名前とか、考えなくて良いからね?』