「私の、護衛…?」
「そう。心配だからついててやれって、主が。」
「主?…て、聞きたかったんだけど今どこいるの?」
顔を隠しているのか、前髪が目の下まであるジン
邪魔そうに首を振りながら、首を傾げた。
「あれ?言ったことなかったっけ?俺、第二王子の側近なの。」
「……それは、前の仕事でしょう?カナヤに来た時、辞めたって言ってたけど?」
「え??」
顎に手を置いて、さらに首を傾げるジン
「そんなこと言ってないけど?」
「言ったよ!まさか嘘なの!?」
声を抑えながらも、気持ち大きくなってしまう。
言ったと主張する私にジンは、笑いながら言ってないと繰り返す。
「もう!分かった!私の聞き間違いってことにするから。」
「そうそう。レティシアの間違い。俺はずーっと主に仕えてる身なんで。」
わざとらしくお辞儀をするジン
本当に掴みきれない人だ。