困ったように眉を寄せて笑う姿に、娘の味方だろうと内心思う。
「まあでも、イオ様が昔から一貫してライラに興味ないのは見てて分かりますし。好意を持ってくれない人の妻になっても幸せにならないのも目に見えてます。」
「なら別の男を紹介してやってくれ。」
「そうですねー。昔からイオ様一筋のライラに良い子息はいましたかね。」
顎に手をあてて、うーんと考える公爵の姿は良い父親なんだろうな。
手元の書類に視線を戻し、独り言を呟く公爵の声を聞きながら仕事を再開する。
「あ!!」
突然大声を上げた公爵に目をやれば、楽しそうな表情をしている。
「そういえば、今度うちでパーティーを開くらしいので、イオ様にも招待状が届くと思います。」
「屋敷はほぼ全焼しているんだろ?」
「離れは無事でしたから。皆さんも心配されているから、無事だってことを教えるためにパーティーを開くらしいですよ。」