「建て替えは終わりそうか?キース公爵」
公爵の報告が終わり、会話が途切れたところで気になってたことを聞いてみる。
「ん〜、まだかかりそうですねー。なにせほぼ全焼に近かったですから。」
穏やかな雰囲気のキース公爵
そんな性格で公爵家が継げるのかと、若い頃は心配されてきたようだが、頭は人一倍きれる。
コヴィー侯爵とはまた違った柔らかさがあり、彼もこの国にはなくてはならない存在である。
公爵家という立場上、他の貴族から王族に盾突くのでないかと、余計な憶測をされてきた。
彼の穏やかな雰囲気に気を緩め、彼を取り囲もうとした貴族も何人もいた。
そんな者たちをキース公爵はじわじわと追いつめ、気づいた時には手遅れという展開に持っていくのが上手い。
「あ、あと。ライラがイオ様に懐いているようですが。」
クスッと笑いながら首を傾げるキース公爵
「いい加減、諦めてくれと言っておいてほしいのだが。」
「うーん、どうしましょう。イオ様を振り向かせようと今も色々考えているようですし。ライラは妻に似て、少し強引ですから。」