「…だからね、私たち貴方に不安な思いとかさせたくないの。」



「それに、今まで息子のせいで君を大変な環境においてしまった。コヴィー家の養子にって話も大賛成だったんだ。近くにいてくれれば、守ってあげられるからな。」



「こんなこと言ったら迷惑かもしれないけど、私たち貴方のこと勝手に娘のように思っているから。」









嬉しい。
こんなの嬉しいに決まってる。


ジョセフさんもアメリアさんも、何の関わりのない私を養子にしてくれて。

その上国王様と王妃様までも私のことをそんな風に言ってくれる。



幼い頃に両親を亡くした私は、記憶にある両親との思い出が少ない。


そのために、街で仲良く歩いている家族を見ると、やっぱり羨ましかった。




感じてた寂しさを思い出して、おさまってた涙がまた込み上げてきて、溢れ落ちないようになんとか耐える。


王妃様と国王様を見れば、先程以上に優しい表情で私を見ていて、それで私の我慢していた涙は呆気なく溢れ落ちた。





「…っ、ありがとう、ございます。」







深々とお礼をする私を3人がとても優しい顔で見ていたことは知る由もない。


王子が愛おしそうに見ていることも…。