何に謝っているのか…。





騎士団に性別を偽って入団したこと?
それはもちろん謝罪すべき。



予知夢を見る力を隠していたこと?
…いや、これは見逃してほしい。悪用されたらいけないと昔から強く言われてきた力だ。






…私が生き延びてしまったことから間違いだったのか。


ぐちゃぐちゃな頭の中を強引に整理して、そんな結論に至る。



…最悪、命を絶とう。




震える手を握りしめ、何も言わない王子にもう一度謝罪を述べる。






と、ひれ伏していた体を強く起こされ、温かい体温に包まれた。



「1人でよく戦った。…本当に。たくさん無茶しただろう?」



心からの苦しそうな声に、何で王子がそんなに苦しそうなのか疑問に思いつつ、これまでの私の人生を優しく包んでくれているようで、じんわりと目に涙が浮かんだ。