それに、城で私のお世話できるようにって…、私城で生活することないんだけど…。





「お嬢様、お体の具合はどうですか?火事に巻き込まれたと聞いたのですが。」


そう言われて思い出す。
…予知夢通りだったな、と。



「犠牲者はいない?」


「はい。そのように聞いております。」


「そう…、良かった。」




未来を見た責任を果たせたと勝手にホッとした。


「お嬢様、何か消化に良いもの持ってきます。」


「あ、本当?ありがとう。実はお腹空いてきて…。」


照れ臭そうに言えば、スズは嬉しそうに笑って部屋を出て行った。




1人になり、ゆっくり体を起こす。

…凄い部屋だ。



幕で囲まれてるから、ベッドしか見えないけど、ベッドだけでも恐れ多くて、のそのそとベッドから降り、皺を伸ばす。



手触りがとても良いし、なにより寝心地が格段に違かった。



丁寧に皺を伸ばしていると、スズが戻ってきた。


静かな足音を聞きながら、背を向けてベッドを綺麗に整える。