『……で…、………ね。』




う"…、


ゆっくり目が開く。
視界が白く、霞んで見える。


「…な……で、き……。」



人の声が聞こえる…。

視線をぐるりとさせれば、ずいぶんと豪華なベッドに寝ていることに気づく。



ベッドの周りには向こう側が透けて見える白い布が幕のように閉ざされている。



「さあ、今日も良い1日にしましょうね。」


そう言うと幕が開いた。
真っ直ぐ私を見ていたその人は、ベッドに横たわる私と目が合うと、時が止まったように固まり、私に抱きついた。




「お嬢様っ!!!」




私を気遣って優しく抱きしめているのはスズミ

元は私の家の使用人をやっていて、お嬢様と呼ばれたのは久しぶりだ。


私の2つ上で、お姉ちゃん的存在でもある。