大人たちはそれに安心していたようだった。



まあ、そのかわりに今度は、

「魔法使いになりたい」

とか言い出してしまったわけなんだけど...



その後、一番苦労したのは、俺だったかもしれない。



「魔法使いがいると思うか、それともいないと思うか」

って質問を何度もされたし、自分でそんな感じの話の本を見つけてきてはめちゃくちゃ読んでいた。



だから、その本から得た情報を飽きるほど聞かされもした。



毎日、毎日よく飽きもせず、同じ話をしてんなって思ってた。



その頃になると、このめんどくさい幼なじみがめちゃくちゃうっとうしく感じられた。



なんでこんな変なやつが幼なじみなんだよって不満を抱えていた。




だって、いつもテキトーに人の話を聞き流してる俺ですら、今もなおうっすらとそのどうでもいい情報が残ってるくらいなんだ。


相当聞かされてたってことだろ。





今思い返してみても、あれは嫌がらせを通り越して、軽く拷問レベルだったと思う。





しかも、その興味の移り変わりは、その時の流行りに影響されて変わるもんだから、”〇〇がいるかいないか”的のことは、その年の流行りとか俺らの年代とかにあわせて4・5回は移り変わってたんじゃないかと思う。




そして、そのたび、話に付き合わされるのはいつも俺だった。