「お母さんが亡くなったらしい」 無論、ただ亡くなった訳ではない。それならこんな風に連絡なんて来る筈も無く。 あんな親でもショックはショックだろう。目を見開いて固まる詩織は一言だけ 「何で?」 と呟く。 書面には詳細は書かれていない。ただ一言、山内優子さん殺害事件の件。その言葉が全てを物語る。 「とにかく、一緒に警察まで行こう」